転職エージェントが徹底解説!後悔しない「転職オファー」受諾の全チェックリスト

長い選考プロセスを経て手にした「オファー(内定通知)」は、何物にも代えがたい喜びがあると思います。
しかし、私たち転職エージェントは、この瞬間こそ「最も冷静になるべき時」だと強くお伝えしています。
なぜなら、ここで提示される「労働条件」を正しく確認し、吟味し、交渉するプロセスこそが、あなたの新しいキャリアが「成功」だったと言えるかどうかを左右するからです。
浮かれた気持ちで詳細を確認せず承諾し、入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースは、残念ながら少なくありません。
この記事では、転職のプロとして、オファー(内定)が出た際に「絶対に確認すべきこと」と「交渉の進め方」を徹底解説します。
目次
STEP 1:オファー(内示)が出た直後の「NG行動」と「OK行動」
多くの場合、最終面接の結果はまず「電話」や「メール」で、エージェント経由(または企業から直接)で伝えられます。これが「内示(口頭オファー)」です。
絶対にやってはいけないNG行動(罠)
- その場での即決承諾
企業:「ぜひ〇〇さんに来ていただきたく、内定です!」
あなた:「ありがとうございます!嬉しいです!ぜひ行きます!」これは最悪の対応です。感謝を伝えるのは素晴らしいことですが、「行きます」と口頭で承諾した瞬間、あなたは「交渉の権利」をほぼ失ってしまいます。給与や条件が希望と違っても、「もう承諾しましたよね?」と押し切られてしまいます。
推奨されるOK行動(鉄則)
- まずは「感謝」を伝える:
- 「内定のご連絡、誠にありがとうございます。高く評価いただき、非常に嬉しく思っております。」
- 「書面」を要求する:
- 「ありがとうございます。つきましては、正式な労働条件通知書(オファーレター)を拝見した上で、検討させていただきたいのですが、いつ頃いただけますでしょうか?」
- 「回答期限」を確認する:
- 「お返事の期限はいつまでになりますでしょうか?」
内示はあくまで「内示」です。必ず「労働条件通知書(オファーレター)」という書面(またはPDF)で、条件を明確に提示してもらうことが、すべてのスタートラインです。
STEP 2:最重要!「労働条件通知書」徹底チェックリスト
書面が届いたら、一字一句見逃さずに確認します。曖昧な点はすべて、私たちエージェントを通じてクリアにしてください。
1. お金(給与)に関する項目
最もトラブルになりやすい項目です。
- 「総額」に騙されない:
- 提示された「年収(例:500万円)」の内訳を必ず確認します。
- 「月給(基本給)」はいくらか?
- 「賞与(ボーナス)」は年何回、何ヶ月分か?(※「業績による」の場合、昨年度の実績を確認)
- 「みなし残業(固定残業代)」の罠:
- 「月給30万円(固定残業代 月40時間分 7万円を含む)」のような記載がないか。
- これは「月40時間までの残業代は、残業してもしなくても30万円に含まれる」という意味です。
- 40時間を超えた分の残業代が支給されるかも確認が必要です。
- 各種手当:
- 住宅手当、家族手当、通勤手当(上限は?)など。
2. 職務内容とポジションに関する項目
面接で話していた内容と相違がないか確認します。
- 職務内容 (Job Description):
- (例)面接では「マーケティング企画」と聞いていたのに、書面には「営業サポート」と書かれていないか?
- 役職:
- 「マネージャー採用」と聞いていたのに、「メンバー」になっていないか?
- 勤務地:
- (例)「東京本社」と聞いていたのに、「※ただし将来的に転勤の可能性あり」という一文が小さく書かれていないか?
3. 労働条件と期間に関する項目
- 雇用形態:
- 「正社員」か? 「契約社員」か?(※契約社員の場合、契約期間と更新の有無)
- 試用期間:
- 期間はいつまでか?(通常3〜6ヶ月)
- 試用期間中の給与・待遇は、本採用時と異なるか?
- 就業時間・休日:
- 始業・終業時刻、休憩時間。
- フレックスタイム制、裁量労働制、リモートワークの可否と条件。
- 休日(土日祝、年間休日日数、夏季・年末年始休暇)。
STEP 3:「条件交渉」を成功させる進め方
もし提示された条件が、あなたの「転職の軸(希望)」と異なる場合、承諾する前に交渉を行います。
1. 交渉は「エージェント」に任せる
これが転職エージェントを使う最大のメリットの一つです。
- NG: あなたが直接、人事担当者に「給与を上げてください」と伝えると、角が立ち、入社後の関係性に影響するリスクがあります。
- OK: 私たちエージェントが「〇〇様のご経験を拝見するに、現在の市場価値は〇〇円です。もう少しご検討いただけませんか?」と、客観的な事実に基づいて交渉します。
2. 交渉の「材料」を準備する
- 論理的な理由:
- (例)「現職の年収が〇〇円であり、最低でも維持したい」
- (例)「他社からも〇〇円でオファーをもらっている」(※嘘は厳禁です)
- (例)「前職での〇〇という実績が、貴社の即戦力として〇〇円の価値があると考える」
- 交渉の優先順位:
- 「年収」「役職」「勤務地」など、何を一番優先したいのかを明確にします。すべてを要求すると決裂する可能性があります。
3. 交渉の「落とし所」を決めておく
- 年収交渉は「できればラッキー」程度に考えることも重要です。企業側にも給与規定(レンジ)があります。
- 年収が上がらなくても、「入社日を調整してもらう」「試用期間を短縮してもらう」など、別の条件で合意できる場合もあります。
STEP 4:「承諾」または「辞退」の決断
すべての条件がクリアになったら、最終決断をします。
1. 承諾 (Acceptance)
- 必ず「書面(メール)」で承諾の意思を伝える。(例:オファーレターにサインして返送する)
- 【超重要】 承諾し、転職先企業と「雇用契約書」を正式に締結するまでは、絶対に現職に「退職」を伝えてはいけません。
2. 辞退 (Decline)
- 他社に決めた場合、または条件が合わなかった場合は、速やかに辞退の連絡をします。
- 私たちエージェントが、企業側へ最大限の配慮をもってお断りの連絡を代行します。お世話になった面接官への感謝も添えて、誠実に対応することが、あなたの社会人としての評判を守ります。
まとめ
オファー段階は、転職活動の「最後の仕上げ」です。
- 口頭オファーで即決しない。
- 「労働条件通知書」の隅々までチェックする。
- 不明点はエージェントを通じて100%解消する。
- 交渉は「承諾前」に「エージェント経由」で行う。
- 正式な「雇用契約書」を締結するまで、現職に退職を伝えない。
この5つの鉄則を守ることが、あなたの新しいスタートを後悔のないものにする鍵となります。 オファー内容の確認や交渉戦略について、不安な点があればすぐに私たちにご相談ください。最後まで伴走します。
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