システムリスク・ITガバナンスとは

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「システムリスク」と「ITガバナンス」は、企業のIT活用において密接に関連する重要な概念です。


 

💻 システムリスクとは?

 

システムリスクとは、コンピュータシステムやネットワークの不具合、停止、誤作動、または不正使用によって、企業の業務が停止したり、顧客や社会に損害を与えたりする可能性(リスク)のことです。

主なリスクの例
 システムのダウン・障害: ECサイトが停止して物が売れなくなる、工場の生産ラインが止まる、銀行のATMが使えなくなる。
 バグ・誤作動: 決済金額を間違える、在庫数を誤って表示するなど、プログラムの不具合で業務が混乱する。
 サイバー攻撃・不正アクセス: ランサムウェア攻撃を受けて業務が停止する(これは「セキュリティリスク」であり、システムリスクの主要な一部です)。
 操作ミス: 従業員が誤って重要なデータを削除してしまう。

特に金融業界では、決済システム(お金のやり取り)の停止が社会インフラ全体に深刻な影響を与えるため、システムリスクの管理が極めて厳格に求められます。


 

🏛️ ITガバナンスとは?

 

ITガバナンスとは、企業がIT(情報技術)を経営目標の達成のために効果的かつ適切に活用するための「仕組み」や「統治(管理体制)」のことです。

これは「IT部門だけが頑張る」ことではなく、経営層が主導して、ITがビジネスに正しく貢献しているか、そしてリスクが管理されているかを監督することです。

ITガバナンスには、大きく「攻め」と「守り」の2つの目的があります。

1. 攻めのガバナンス(ITの戦略的活用)
 経営戦略(例:DX推進、売上向上)とIT戦略を連動させる。
 IT投資が本当に効果(ROI)を生んでいるかを評価・判断する。
 ビジネスに貢献する新しいIT技術を導入する。

2. 守りのガバナンス(リスク管理)
 上記で説明した「システムリスク」を最小限に抑える。
 情報セキュリティ体制を構築し、サイバー攻撃から会社を守る。
 ITに関する法令やルール(コンプライアンス)を遵守する。


 

🤝 2つの関係

 

「ITガバナンス」は、企業がITを統治するための「大きな仕組み」です。「システムリスク」は、そのITガバナンスが管理・コントロールすべき「主要なリスクの一つ」です。

つまり、「ITガバナンスがしっかりしていない(経営層がITを管理できていない)企業は、システムリスク(事故)が発生しやすい」という関係にあります。

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