Okta、2027年に新パートナープログラム開始 AIエージェントのセキュリティ需要に対応

ID管理サービス大手の米Oktaは、パートナー戦略を刷新し、2027年に新プログラム「Okta Partner Accelerator」を開始する。従来の販売パートナーに加え、導入・実装を担うサービスパートナーや、他社製品との連携を進めるテクノロジーパートナーも対象とし、ID管理に加えてAIエージェントのセキュリティ分野で協業を拡大する。

米OktaのSVP(上級副社長)ローラ・パディラ氏と、Okta Japanの執行役員である竹内宏之氏は2026年10月8日、来日取材に応じた。パディラ氏によると、2027年度上期はパートナーが創出した案件の年間経常収益(ARR)が前年同期比約2.5倍となり、50万ドルを超える大型案件では約3倍に増加した。受注額に占めるパートナー経由の比率は約80%に達し、AWSのクラウドマーケットプレイス経由の契約総額も20億ドルを超えたという。

新プログラムでは、約2,300社のグローバルパートナーのうち、100社強を重点投資先の「フォーカスパートナー」として位置付ける。プログラムはセールス、サービス、テクノロジーの3トラックで構成し、各パートナーは1つまたは複数のトラックを選択できる。各トラックには3段階のレベルを設け、販売実績や新規顧客の獲得、導入実績、顧客満足度、技術力などを評価する。紹介報酬や新規顧客獲得への報奨、一定期間内に製品を導入したパートナーへの「デプロイメントアクセラレーター」などの特典も用意する。

製品分野では、顧客向けID管理サービス「Auth0」、ID管理・ガバナンス(IGA)、AIの3領域に専用の販売手法を設ける。導入作業についても、Okta社内のプロフェッショナルサービスからパートナーへの移管を進める。パートナーが自ら見積もりを作成できるポータルを整備し、AWSマーケットプレイスのプライベートオファーの自動化など、販売支援の仕組みも強化する。

同社は大手システムインテグレーター(SIer)との連携も進める。Deloitte、NTTデータ、PwC、Accentureの4社とは、業界別の専門チームづくりに取り組む方針だ。日本市場では金融、製造、小売の3業種を重点領域とし、グローバルシステムインテグレーター(GSI)との協業を拡大する。竹内氏は、GSIが経営層に直接提案することで、セキュリティ対策やAI導入を経営主導で進められると説明した。

背景には、ID管理市場の需要変化がある。竹内氏によると、従来のアクセス管理に加え、ユーザーやサービスアカウントの権限を管理するガバナンスや、特権アクセス管理への需要が拡大している。さらにAIエージェントの普及に伴い、そのアクセス権限や利用を安全に管理する仕組みも求められている。

Oktaは2026年9月、AWS、Google Cloud、CrowdStrikeなど12社と、AIエージェントのセキュリティに関する業界横断の枠組み「Blueprint Alliance」を発足させた。Anthropic、OpenAI、GoogleともAIプラットフォーム分野で連携している。竹内氏は、AIエージェントの安全性を確保するにはOkta単独では対応しきれず、コンサルティングファームやSIerなどの知見が必要だと指摘。パートナー各社がBlueprint Allianceの設計指針を活用し、自社の製品やサービスを組み合わせた独自のソリューションを開発することに期待を示した。

新プログラムの詳細は現在詰めており、日本語資料も今後整備する予定。Oktaはパートナー向けのAI認定制度や実践的な技術研修も用意し、パートナーの提案力と導入支援能力の強化を図る。

 

引用元記事:https://enterprisezine.jp/news/detail/25271