パロアルト、データドッグとオクタ買収を過去に検討 大型M&Aで事業領域を拡大

米サイバーセキュリティ大手のパロアルトネットワークスは、サイバーアークとクロノスフィアの大型買収に先立ち、クラウド監視プラットフォームを手がけるデータドッグと、IDセキュリティ企業のオクタの買収を検討していたことが明らかになった。

ニケシュ・アローラCEOが主導した非公開協議では、2024年後半から2025年初頭にかけてオクタとの統合可能性を協議。両社は製品の補完性を検討する段階まで進んだものの、買収価格を巡って交渉が停滞した。その後、パロアルトはIDセキュリティ事業の拡大に向け、サイバーアークの買収へと方針を転換し、2025年7月に約250億ドル(約4兆円)の買収で合意した。

一方、データドッグには2025年春に買収を打診したものの、同社CEOが売却に関心を示さず、正式な買収提案には至らなかった。パロアルトはその後、オブザーバビリティ分野でデータドッグと競合するクロノスフィアを2026年1月に約33億5000万ドル(約5300億円)で買収した。

サイバーアークとクロノスフィアの買収は、パロアルトの事業領域を従来のネットワークセキュリティから、ID管理、オブザーバビリティ、AIを活用した脅威検知などへ広げる動きを加速させている。両社は4月期の売上高約30億ドル(約4800億円)のうち、合計3億3800万ドル(約540億円)を寄与したという。

アローラ氏は2018年のCEO就任以降、40社以上を買収してきたが、多くは10億ドル未満の案件だった。サイバーアークとクロノスフィアの大型買収は、AIによってサイバー攻撃の規模や速度が高まる中、より大規模なM&Aによって必要な技術を取り込む戦略への転換を示している。

今後の買収候補としては、オブザーバビリティ事業を補完できるデータインフラ企業のクリブルやクリックハウスなどが挙がっているほか、AIモデルやAIエージェント、関連インフラの安全性を確保するAIセキュリティ分野も検討対象となっている。いずれも現時点では正式な買収提案には至っていない。

パロアルトは、ネットワークセキュリティを中心とした従来型の事業モデルから、クラウドセキュリティ、ID管理、オブザーバビリティ、AIセキュリティを包括するプラットフォームへの転換を進めている。データドッグやオクタの買収は実現しなかったものの、サイバーアークやクロノスフィアへの大型投資によって、同社の事業ポートフォリオ拡大が本格化している。

引用元記事:https://finance.biggo.jp/news/275ccb58-7a70-453d-9077-cb8421e42338