Snowflake、AI時代の「データ起点」セキュリティ戦略を強化 CSTOが統合型防御の重要性を強調

Snowflakeは、AI時代に対応したセキュリティをデータ基盤そのものへ組み込む戦略を推進している。年次イベント「Snowflake Summit 26」で、最高信頼・セキュリティ責任者(CSTO)のマヤンク・ウパディヤ氏は、「セキュリティはデータに最も近い場所で機能しなければならない。プラットフォームに統合されていなければ、実際の現場では活用されない」と述べ、AI活用時代における新たなセキュリティモデルの必要性を訴えた。

ウパディヤ氏はGoogleで21年間にわたり、二要素認証やゼロトラストアーキテクチャの構築などに携わり、Google Cloudではセキュリティプラットフォーム部門の副社長を務めた経歴を持つ。約4カ月前にSnowflakeへ参画し、現在は同社のAIセキュリティ戦略を統括している。

同氏によると、SnowflakeのAIセキュリティは「LLM保護」「エージェントのアイデンティティ管理」「データ保護」の3層構造で構成されている。

第1層では、大規模言語モデル(LLM)向けの保護機能として「Horizon Guardrails」を発表した。プロンプトインジェクション攻撃やゼロデイ攻撃への対策を目的とした機能で、追加の遅延を発生させることなく、不正な命令を検知・遮断できるという。AIエージェントが参照するファイル内に悪意あるプロンプトが埋め込まれていた場合でも、自動的にフィルタリングする仕組みを備える。

第2層は、AIエージェントのIDと権限管理だ。同氏はエージェントを「法人カードを持ったインターン」に例え、「必要以上の権限を与えれば、意図しない行動を取る可能性がある」と説明。最小権限の原則に基づき、エージェントごとに適切なアクセス範囲を設定することが重要だとした。

この分野の強化に向け、SnowflakeはModel Context Protocol(MCP)ゲートウェイを開発するNatomaを買収した。役割に応じて利用可能なSaaSを制御し、企業内のAIエージェント利用状況や権限を可視化する仕組みを提供する。

第3層では、データ基盤そのものを保護する仕組みを展開する。役割ベースアクセス制御(RBAC)やデータ暗号化、ゼロコピー共有、データマスキングなどを組み合わせ、データに対するあらゆるアクセスを一元的に管理する。

ウパディヤ氏は、従来型のセキュリティ製品との違いについて、「データの外側から防御機能を追加するのではなく、データプラットフォームそのものにセキュリティを組み込んでいる点が特徴だ」と説明した。データを中心に保護することで、LLMへのクエリやAIツールの実行結果も追加開発なしにガードレールの適用対象となり、運用負荷の軽減と迅速な脆弱性対処を実現できるという。

また、データ主権とゼロデータ保持(Zero Data Retention)の考え方も重視している。Snowflake経由で利用するLLMでは、顧客データはクラウド事業者内の隔離環境で処理され、基盤モデルの学習には利用されない仕組みを採用。保存時からデータを暗号化し、安全性を確保している。

AI時代のセキュリティ業界全体について、同氏は「すべてのセキュリティ企業がAI時代に向けて再構築を迫られている」と指摘した。その上で、「AIを使った攻撃にはAIで対抗するしかない。データを収集・分析し、問題を発見して修正する一連のプロセスを自動化しなければ、人間だけではAIの進化のスピードに対応できない」と語り、AIネイティブなセキュリティ運用の重要性を強調した。

 

引用元記事:https://www.digitaltoday.co.kr/jp/view/60753/security-must-be-close-to-data-snowflake-role-set-to-grow