Ripple、機関投資家向け「Ripple Custody」を機能拡張 HSM統合とステーキング対応で基盤強化

米Ripple(リップル)は2026年2月9日、機関投資家向けデジタル資産カストディ基盤「Ripple Custody」の機能拡張に向けた戦略的協業を発表した。

今回の取り組みでは、ハードウェア・セキュリティ・モジュール(HSM)技術を提供するSecurosys(セキュロシス)との統合、および機関向けステーキング基盤を手がけるFigment(フィグメント)との提携が柱となる。

これにより、銀行やカストディアンなどの規制対象機関は、複雑なインフラを自前で構築することなく、デジタル資産の保管とステーキングを単一プラットフォーム上で提供できる体制を整える。リップルは、導入時の運用負荷軽減と機関向けサービスの迅速な展開を支援する狙いがあると説明している。

同社はこれまでにも、ブロックチェーン分析企業Chainalysisとのコンプライアンスツール統合や、ウォレット基盤を手がけるPalisadeの買収などを進めてきた。今回の協業はこれらの施策を補完し、外部パートナーの技術を自社基盤に組み込むことで、セキュリティ、運用、規制対応の各課題を包括的に強化する方針だ。


2つの技術統合で中核機能を強化

今回の機能拡張は、大きく2つの技術的アプローチで構成される。

SecurosysのHSM統合で鍵管理を高度化

リップルはSecurosysの「CyberVault HSM」および「CloudHSM」技術を統合し、暗号鍵管理のセキュリティ水準を引き上げた。

同HSMはオンプレミス型とクラウド型の双方に対応し、各国の規制要件や顧客の運用方針に応じた柔軟な導入が可能とされる。リップルは、この統合によりHSM導入時の調達や運用の複雑性を軽減できるとしている。

Figment提携でステーキング機能を組み込み

もう一つの強化点は、Figmentとの提携によるステーキング機能の統合だ。

これにより、Ripple Custodyを利用する銀行やカストディアンは、自らバリデーターを運用することなく、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)型ネットワークへのステーキングを提供できる。

Figmentのインフラを活用することで、ステーキング運用や関連する管理プロセスをカストディ基盤内で一元的に扱える仕組みとなる。


コンプライアンス前提の統合設計

これらの機能は、規制遵守と運用管理を前提に設計されている。取引モニタリングやリスクスクリーニングといったコンプライアンスチェックがワークフロー内に組み込まれ、自動的に実行される構造となっている。

また、Palisadeの買収によって強化されたスケーラブルなウォレット開発体制も、迅速なサービス提供を支える要素の一つだ。

リップルは、これらの技術要素を統合することで、金融機関がデジタル資産市場へ参入する際の基盤としてRipple Custodyの機能性を高めると説明している。


規制環境下で進む機関向けインフラ整備

機関向けカストディとステーキング機能の統合は、デジタル資産分野におけるインフラ高度化の流れの中に位置付けられる。

欧州や米国で規制整備が進展するなか、セキュリティとコンプライアンスを重視した機関向け基盤への需要は高まっている。他のカストディ事業者でも同様に、ステーキング機能や高度なセキュリティ対応を組み込む動きが広がっている。

各国の規制動向や金融機関の戦略が今後の普及を左右する中、Ripple Custodyの展開は、機関投資家向けデジタル資産インフラの方向性を占う一例として注目される。

引用元記事:https://bittimes.net/news/217193.html