富士通、AI時代の経営課題としてのサイバーセキュリティ――企業価値を守るための“再設計”とは

 データとAIがビジネスの競争優位性を左右する時代において、サイバーセキュリティはもはやIT部門の課題ではなく、経営戦略の中核を担う最重要テーマへと進化している。サイバー攻撃は想像を超える速度で巧妙化し、AIを悪用した新たな脅威も次々と生まれている。従来の延長線上にある対策だけでは、企業の資産や信頼、そして持続的な成長を守り抜くことは極めて困難だ。

 では、企業はセキュリティをどのように再設計すべきなのか。その第一歩は、人間の健康診断と同様に「外部の視点」で自社の状態を客観的に把握することにある。内部の常識や過去の成功体験にとらわれたままでは、正確な現在地を知ることも、ありたい未来への道筋を描くこともできない。

 重要なのは、セキュリティ再設計の目的を「攻撃を防ぐこと」だけに限定しない点だ。現代の前提は、攻撃者の侵入を完全に防ぐことではなく、侵入を想定したうえで事業継続性を確保し、被害を最小化しながら迅速に回復する力、すなわちサイバーレジリエンスを高めることである。

 本稿では、Uvance Wayfindersのセキュリティコンサルタントが、ホワイトハッカーとして200社以上へのハッキングを通じて得た実践知をもとに、日本企業のセキュリティの現状を分析する。さらに、サイバー攻撃のフェーズごとに求められる対策、効果的なセキュリティ投資の考え方、グローバル拠点を含めたセキュリティガバナンスのあり方まで、企業が今取り組むべき「セキュリティ再設計」のアプローチを包括的に示す。

 サイバーセキュリティは、守りのコストではなく、企業の未来を支える戦略的投資である。変化の時代においても事業を止めず、成長を続けるために、今こそセキュリティの再設計に踏み出す時だ。

引用元記事:https://global.fujitsu/ja-jp/wayfinders/insight/cyber-security-20251217