ServiceNow、Vezaを買収しアイデンティティセキュリティ領域を強化

ServiceNowは2025年12月2日、アイデンティティセキュリティ分野のリーダーであるVezaを買収する意向を発表した。今回の買収により、ServiceNowは企業のデータやシステムへのアクセス管理をより包括的に強化し、セキュリティとガバナンスの高度化を図る。

■ サイバー攻撃の進化とアイデンティティ課題

現代企業が扱うアイデンティティは、従業員やパートナー、アプリケーション、自律型AIエージェントに至るまで多様化している。一方で、AIを悪用した高度な攻撃が増加しており、権限管理の不備は重大なリスクにつながる。こうした状況から、アイデンティティを横断的に可視化し統合管理する仕組みが求められている。

■ VezaのAccess Graph技術がもたらす価値

Vezaが提供する「Access Graph」は、アイデンティティ間のアクセス関係を可視化し、システム全体の権限構造を把握できる技術だ。これにより企業は、複雑化する権限を迅速かつ正確に特定・管理できるようになり、ServiceNowのセキュリティ/リスク管理ポートフォリオは大きく強化される見込みである。

■ 組織のアクセス管理をより強固に

ServiceNowのCOOであるアミット・ザヴェリー氏は、「エージェンティックAIの時代においては、あらゆるアイデンティティが企業に影響を与える。Vezaとの統合によって、シームレスで安全なアイデンティティ管理環境を実現する」とコメントしている。

Vezaのプラットフォームは、最小権限の実現やアクセス権の可視化に強みを持つ。ブラックストーンのCTOであるジョン・ステッカー氏も「Vezaによる最小権限管理が、安全で効率的なアクセス管理を可能にする」と評価している。

■ 今後の展望

2020年創業のVezaは、銀行や消費財など多様な業界にアイデンティティセキュリティソリューションを提供してきた。買収は規制当局の承認後に正式完了する予定で、両社の連携により、AI時代に対応した次世代のアイデンティティガバナンスが構築されることが期待される。

引用元記事:https://news.3rd-in.co.jp/article/2b0cea10-d574-11f0-bd50-9ca3ba083d71