dSPACEは2025年12月3日、組込みシステム向けサイバーセキュリティソリューション強化を目的に、dissecto社の事業を取得したと発表した。自動車、農業、医療、製造業など、多様な分野における開発プロセス全体を対象に、エンドツーエンドで自動化された高性能セキュリティテストワークフローの提供を目指す。

強化されるセキュリティテスト能力

dissectoが開発したサイバーセキュリティテストフレームワーク「HydraVision」は、車両開発向けに特化した探索的アプローチと拡張可能なテンプレートを備え、セキュリティテストを効率的に統合できる点が特徴。潜在的な脆弱性を早期に把握し、適切な対策につなげることが可能となる。

dSPACEのCEO Carsten Hoff氏は、「dissectoの技術統合により、検証・バリデーション分野で既存製品の高度化が進み、より高水準のサイバーセキュリティプラットフォームを提供できる」と述べている。

dissectoにとっての新たな成長フェーズ

dSPACEグループへの参入は、dissectoにとっても国際市場での存在感を高める機会となる。同社COOで共同創業者のAlexander Meisel氏は、「dSPACEの支援により、ソリューションを次の段階へ進化させ、より広い市場への展開が可能になる」と期待を示している。

製品ポートフォリオは継続提供

dissectoの製品群には「HydraVision」のほか、「HydraLink」「HydraHat」「HydraProbe」などが含まれる。トレーニング、コンサルティング、ペネトレーションテスト等のサービスも継続される。既存の顧客は従来通りのサポートを受けられ、レーゲンスブルクのコンピテンスセンターによる技術支援も維持される。

引用元記事：https://news.3rd-in.co.jp/article/fd348714-d4a7-11f0-8ea0-9ca3ba083d71