キヤノンITソリューションズ、Cato SASEクラウド向けSOCサービスを2026年3月提供開始 クラウドセキュリティ強化へ

キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は11月27日、ITインフラサービス「SOTAGE」の新たなセキュリティ運用サービスとして、米Cato Networksの「Cato SASEクラウド」を対象にしたセキュリティ運用センター(SOC)サービスを、2026年3月より提供開始すると発表した。

本サービスでは、Cato SASEクラウドによる脅威検出と対策を一元提供するほか、インシデント発生時には初動対応から恒久対応策の立案・提案までをサポート。また、利用状況の定期分析を通じ、セキュリティ観点でのレポート作成も実施する。

近年、SASE(セキュアアクセスサービスエッジ)の導入が進む一方で、高度な専門知識と即時対応体制が求められるため、自社のみでの運用が難しい企業が多い。こうした背景から、外部の専門組織にSOC業務を委託するニーズが高まっており、同サービスの利用料金は月額30万円からとなる。

この発表に合わせた事業戦略説明会では、代表取締役社長の金澤明氏が、長期ビジョン「VISION2025」における同社の取り組みと活動トピックスを紹介した。キヤノンITSはキヤノンマーケティンググループ内で、グループ利益の約3割を占める存在感を示しており、重点事業領域として「スマートSCM」「エンジニアリングDX」「車載(CASE)」「金融CX」「アジャイル開発プラットフォーム」「クラウドセキュリティ」「データセンター」の7分野を設定。2025年の売上計画の25%以上を担うとしている。

Cato SASEクラウド向けSOCサービスは、クラウドセキュリティ領域における重点施策の一環であり、今後も同社は各領域での強化・拡大を進める計画。なお、VISION2025に続く新たな長期ビジョンや中期経営計画も策定中で、2026年春に発表予定である。

また、ITプラットフォーム事業部門上席執行役員の山岸弘幸氏は、2025年のトピックとしてTCSとキヤノンITSの統合を紹介。TCSはITインフラ構築・運用に強みを持ち、マネージドサービスでのライフサイクルサポート実績が豊富で、2025年7月1日付でキヤノンITSに吸収合併された。

両社の統合によるシナジー戦略としては、営業・技術者の相互活用による営業力強化、キヤノンMJグループのソリューション商材の拡販、TCSのMPSとSOTAGEの相乗効果の3点が挙げられる。

さらにクラウドセキュリティ事業の強みとして、「技術力」「サービス開発力」「ライフサイクルサポート力」を強調。特に技術力では、サイバーセキュリティラボによる先進技術の取り込みやR&D本部による応用研究により、言語処理や画像解析技術での優位性を維持している。

今後は、経済産業省の「サプライチェーン強化のためのセキュリティ対策評価制度」に対応した診断サービスの提供や、ID管理向け自社開発IDaaS「ID Entrance」の低価格提供(月額150円~)など、クラウドセキュリティ分野でのサービス拡充を進める計画だ。

引用元記事:https://japan.zdnet.com/article/35241171/