日立ソリューションズ、量子時代に対応した「耐量子計算機暗号移行支援サービス」を提供開始

日立ソリューションズは10月7日、量子コンピューターの実用化による既存暗号技術破られるリスクに備え、企業のITシステムにおける暗号技術の棚卸しからリスク評価、移行方針の提案までを包括的に支援する「耐量子計算機暗号への移行に向けた支援サービス」の提供を開始しました。主に金融機関を対象に、暗号技術の整理から移行計画策定までをトータルにサポートします。
本サービスは、量子計算でも解読困難な数学的構造に基づく「耐量子計算機暗号(Post-Quantum Cryptography:PQC)」への移行を支援するもので、長期秘匿性が求められる金融機関、医療、行政分野での活用が期待されます。支援は5つのステップで行われます。
クリプト・インベントリ作成:セキュリティ専門エンジニアが設計書解析やヒアリングを通じ、暗号技術の使用箇所や方式、用途を体系的に整理
リスク評価と優先順位付け:量子耐性が低い暗号技術について、攻撃リスクや情報の重要度を踏まえて移行の優先度を設定
クラウド環境の分析:AWSやMicrosoft Azure上の暗号化状態や鍵管理状況をFortanix「Key Insight」で迅速に分析
暗号技術の評価と柔軟な移行策の提案:使用中の暗号アルゴリズムや鍵管理、実装方法を評価し、クリプトアジリティを考慮した移行方針を提示
持続可能なセキュリティ体制の構築:企業のサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)を支援
量子コンピューターの台頭により、企業のセキュリティ対策の見直しは持続可能な社会や経営に向けた重要課題となっています。日立ソリューションズは、従来のセキュリティノウハウを発展させつつ、日立製作所と連携し、金融機関だけでなく医療や行政分野への耐量子計算機暗号移行支援を順次拡大していく方針です。
引用元記事:https://japan.zdnet.com/article/35238893/



