Apple信者も要注意:AMOSが狙うmacOSの盲点と対策

AppleのmacOSは、Windowsと比較してサイバー攻撃の対象となる頻度が相対的に低いとされてきた。しかし、利用者数の増加に伴い、その前提が崩れつつある。2024年以降、**「Banshee Stealer」や「FrigidStealer」**といったマルウェアが報告される中、新たな深刻な脅威として浮上しているのが、「Atomic macOS Stealer(AMOS)」だ。
目次
■ AMOSがバックドア機能を搭載──macOSにおける深刻な脅威
サイバーセキュリティ企業Moonlockの報告によれば、AMOSは2025年に入り、リモート制御可能な「バックドア」機能を新たに実装。これは、攻撃者が一度感染したMacへの永続的なアクセス権限を保持し、被害者の再起動後も不正アクセスを継続できるというものだ。
バックドアが機能すると、攻撃者は感染端末上で任意のコマンドを実行可能となり、認証情報やドキュメントの窃取を超えて、システム全体の侵害へと踏み込む。このため、MoonlockはAMOSのリスクを「これまでで最も高い評価」に位置づけている。
■ グローバルに拡散するMalware-as-a-Service型攻撃
AMOSは、Malware-as-a-Service(サービスとしてのマルウェア)として展開されており、既に120カ国以上に影響を及ぼしている。とりわけ、米国や英国などの主要国が攻撃のターゲットに含まれている。
この新たな展開により、AMOSの脅威は単なる情報窃盗を超え、サイバー監視・操作といった国家レベルの攻撃にも利用されかねない性質を帯びてきている。
■ フィッシングとソーシャルリサーチの組み合わせが拡散の鍵に
AMOSの拡散には、高度なソーシャルエンジニアリングが活用されている。攻撃者はターゲットのSNS投稿などから個人情報を収集し、それをもとに精緻化されたフィッシング攻撃を仕掛けてくる。Moonlockはこの戦術を「ターゲットに関する情報が多いほど、攻撃は巧妙になる」と警告している。
■ ユーザーに求められる対策:デジタルフットプリントの削減と警戒の継続
この脅威への対策としては、以下の点が推奨されている:
- SNSや公開プロフィールの情報量を極力抑える
- 不審なリンクや添付ファイルを開かない
- ソフトウェアやOSを常に最新に保つ
- セキュリティベンダー提供のエンドポイント保護機能の導入
Moonlockは「AMOSは“去らない泥棒”のような存在であり、Mac端末に潜伏し続けることで、数カ月から数年にわたって監視と制御を行う可能性がある」と強く警告している。
終わりに:Appleユーザーも“安全神話”を捨てるべき時
AMOSは、macOSの「安全神話」に揺さぶりをかける存在だ。今後も進化が予想される中、Appleユーザーであっても、Windows同様の高度なセキュリティ対策と警戒心が求められている。
引用元記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/0ee5e130714ca8e9f3b0ae2a427695ba172d8019



