SIer(システムインテグレーター)におけるセキュリティ業務は、一般的な事業会社や金融機関とは大きく異なる、「2つの顔」を持っています。

  1. 顧客に「セキュリティを売る・提供する」という、ビジネス(攻め)の側面。
  2. 自社(開発環境)を「鉄壁に守る」という、コーポレートセキュリティ(守り)の側面。

SIerは、顧客のシステムという「城」を設計・構築する立場であると同時に、自社が「攻撃の踏み台(サプライチェーン攻撃の起点)」にならないよう、自らも高度に防衛する必要があります。


 

1. 【攻め】顧客への「価値提供」としてのセキュリティ業務

 

こちらがSIerの「本業」としてのセキュリティ業務です。顧客の課題を解決し、ビジネスとして利益を上げる役割を担います。

 

① セキュリティ・コンサルティングと提案

 

顧客の「セキュリティ、何とかしたい」という漠然とした悩みに対し、専門家として最適な道筋を示します。

 

② セキュアなシステムの設計・構築(SI)

 

顧客から受託したシステム開発プロジェクトにおいて、セキュリティを担保する中核的な役割です。

 

③ 運用・監視サービスの提供(MSP / MSSP)

 

システムを「作って終わり」ではなく、その後の「運用」まで請け負うサービスです。SIerにとって安定した収益源となります。


 

2. 【守り】自社を防衛するセキュリティ業務

 

SIerは、多数の顧客の機密情報(システム構成図、個人情報など)や、開発中のプログラムソースコードを大量に保有しています。もしSIerが攻撃されれば、顧客のシステムにまで被害が拡大する「サプライチェーン攻撃」の起点となりかねません。

そのため、自社を守るセキュリティは一般企業以上に厳格です。

 

① サプライチェーン攻撃の起点にならないための防御

 

 

② 顧客情報の保護

 

 

③ コーポレートセキュリティの維持

 


 

まとめ

 

SIerのセキュリティ業務は、「最新のセキュリティ製品・技術のプロフェッショナル」として顧客の課題を解決するコンサルタント/エンジニアとしての側面と、顧客からの信頼を失墜させないために自社の開発環境を鉄壁に守る「自社防衛のガーディアン」としての側面を併せ持ちます。

技術力、提案力、そして高度な倫理観が同時に求められる、非常に専門性の高い職務です。