IonQ、サイバーセキュリティ企業Elisityを最大13億ドルで買収 量子耐性暗号とゼロトラストを統合

米量子コンピューター企業IonQは、米サイバーセキュリティ企業Elisityを最大13億ドル(約2,100億円)で買収することで合意した。買収対価は全額株式交換方式で、Elisityの将来の業績に応じて最大1億5,000万ドル(約240億円)の追加支払いを含む。規制当局の承認を条件に、2026年第4四半期の完了を見込む。

買収により、IonQの耐量子暗号や量子鍵配送技術と、Elisityのゼロトラストセキュリティプラットフォームおよび「IdentityGraph」技術を統合する。IdentityGraphは、ユーザーやデバイス、ワークロード、AIエージェントなどのアイデンティティ・資産・リスク情報に基づき、アクセスを管理する技術。両社の技術を組み合わせ、従来のサイバー攻撃に加え、将来的な量子コンピューターによる暗号解読のリスクにも対応するセキュリティ基盤の構築を目指す。

2019年創業のElisityは、ネットワークを細分化してアクセスを制御するマイクロセグメンテーション分野で事業を展開する。同社は世界で100件超の導入実績を持ち、売上高と顧客基盤を前年比で倍増させているという。IonQは、マイクロセグメンテーション市場の規模を100億ドル超と試算しており、今回の買収を通じて企業・政府機関の顧客基盤を拡大し、クロスセルの機会を創出する。

買収対価のうち、クロージング時の前払い分は約11億5,000万ドルで、IonQ株の算定価格は1株当たり33.07~49.61ドルとなる。アナリストは、取引に伴い2,300万~3,500万株の新株発行を見込んでいる。全株式交換方式によって現金支出を抑えられる一方、既存株主の持ち分が希薄化する懸念も出ている。ウェドブッシュ証券は、本買収をIonQのセキュリティ事業を拡大する戦略と評価する一方、新株発行による希薄化を指摘した。

IonQは2026年第2四半期、マルチプロダクト売上高が前年同期比40%増となったと発表している。同社は今回の買収を、量子コンピューティングとセキュリティを組み合わせた事業基盤の拡充につなげる考えだ。2026年6月末時点の現金・現金同等物・投資有価証券は合計30億ドルで、SkyWater Technologyの買収を反映したプロフォーマベースの現金ポジションは約20億ドルとしている。

 

引用元記事:https://finance.biggo.jp/news/1e3de939-86d4-4fb4-ae28-4c718fccb718