ウェドブッシュ、サイバーセキュリティ4銘柄を「アウトパフォーム」に AI時代のプラットフォーム統合を評価

米証券会社のウェドブッシュは、急速に進化するサイバーセキュリティ市場について、AIの普及を背景に企業のセキュリティ予算が少数の有力プラットフォーム企業へ集中するとの見通しを示した。
同社はソフトウェアセキュリティ銘柄のカバレッジを開始し、クラウドストライク・ホールディングス、パロアルトネットワークス、データドッグ、ルーブリックに「アウトパフォーム」を付与した。企業がセキュリティ製品を個別に導入するよりも、複数の機能を統合したプラットフォームへ支出を集約する構造変化が進むと分析している。
ウェドブッシュによると、サイバーセキュリティ分野では必ずしも市場全体の支出が大幅に増加するわけではなく、企業が複雑性の低減やコスト削減を進めるなかで、ポイントソリューションから統合プラットフォームへ予算が移行することが成長の主要因となる。
クラウドストライクの目標株価は250ドル。2029年度の企業価値対フリーキャッシュフロー倍率85倍、EV/売上高倍率約29倍を前提とした。ウェドブッシュは、戦略的な小規模買収を通じた収益性の高い成長やフリーキャッシュフロー創出力を評価。Falconプラットフォームについても、AIネイティブなエンドポイント保護を起点に、クラウド、アイデンティティ、SIEMなどへの事業拡大に中長期的な成長余地があるとした。
パロアルトネットワークスの目標株価は400ドル。同社を「サイバー分野で最も明確なプラットフォーム化の勝者」と位置付け、ネットワークセキュリティ、クラウドセキュリティ、SecOpsでの優位性を評価した。2026年度の売上高成長率は前年同期比34%に加速し、調整後フリーキャッシュフローマージンは38.4%。プラットフォーム化案件も同78%増の2,500件に拡大し、次世代セキュリティARRは63%成長した。
ルーブリックには目標株価120ドルを設定し、「公開市場で最も強力なサイバーレジリエンス銘柄」と評価した。直近四半期の売上高は前年同期比38%増、ネット保持率は119%となった。サブスクリプションARRは33%増加し、大口顧客が成長の88%を占めた。
データドッグの目標株価は275ドル。2028年度のEV/FCF倍率約54倍を前提とし、2026年度第2四半期の売上高成長率が前年同期比36%に加速したことを評価した。フリーキャッシュフローマージンは25%、非GAAP営業利益率は23%となった。クラウドネイティブおよびAIネイティブなワークロードの可観測性において有利なポジションにあり、AIワークロードが従来型アプリケーションより大量のテレメトリを生成することも追い風になると分析している。
一方、ウェドブッシュはサイバーセキュリティ市場の今後を左右するテーマとして、AIによる防御、プラットフォーム統合、データセキュリティ、可観測性、脆弱性管理の変化を挙げた。特に企業の約75%がベンダー数の削減を進めているとして、複数のセキュリティ機能を統合できるプラットフォームの優位性が高まると指摘している。
この見方から、テナブル・ホールディングスには「アンダーパフォーム」を付与。統合が進む市場では、単独の脆弱性管理ベンダーが不利になる可能性を示した。フォーティネット、クオリス、チェック・ポイント・ソフトウェア、ダイナトレース、バロニス・システムズ、テロスは「中立」と評価した。
今回の分析は、AIを活用したサイバー攻撃が高度化するなか、単一のプラットフォームからエンドツーエンドの保護や可観測性、レジリエンスを提供できる企業への需要が高まるとの見方を示すもの。ウェドブッシュは、今後もセキュリティ市場でプラットフォーム統合が進むとみている。
引用元記事:https://finance.biggo.jp/news/9c0cb8b1-1400-4de5-9a19-5bb98621bb8c



