BNBチェーン、「パスツール」ハードフォークを実施へ

BNBチェーンは2026年8月25日午前2時30分(UTC)、BNBスマートチェーン(BSC)のメインネットで「パスツール」ハードフォークを実施する。今回のアップグレードでは、クロスチェーンブリッジのセキュリティ強化やバリデーターガバナンスの脆弱性への対策に加え、既存のブロック構造を活用した処理能力の向上を図る。

全ノード運営者は、アップグレードの発動前にクライアントをバージョン1.7.7へ更新し、設定ファイルから「EnableBAL」フラグを削除する必要がある。フラグを残した場合、更新後のクライアントは起動できないとしている。

今回の変更は、BEP-673を包括提案として、3つのBNBエボリューション提案をまとめたもの。クロスチェーンブリッジの検証方法を変更する「BEP-682」、バリデーターの鍵ローテーションとガバナンスを改善する「BEP-695」、ビルダーによるブロック提出方式を変更する「BEP-675」を導入する。

クロスチェーンブリッジの検証を強化

BEP-682では、BSCがクロスチェーン転送に利用するブロックの検証方式を変更する。従来は、提出されたバリデーターセット内で同一バリデーターが重複して登録されているかをネットワークが確認していなかった。

今回のアップグレードでは重複エントリーを拒否し、投票権の重複カウントによって必要な投票閾値が不正に満たされる可能性を排除する。また、他チェーンからの情報を受け入れる前にバリデーター署名を検証する仕組みを導入し、クロスチェーン通信の安全性を高める。

バリデーターの鍵管理とガバナンスを改善

BEP-695では、バリデーターが使用するコンセンサス鍵のライフサイクルを見直す。鍵をローテーションした際には、旧鍵が直ちに管理権限を失い、残存する権限を持たないようにする。

また、保留中のスラッシング追放は新しい鍵にも引き継がれるため、運営者が資格情報を交換して未処分のペナルティを回避することを防止する。さらに、ブラックリストに登録されたアドレスが署名ベースのガバナンス投票を利用して直接投票の制限を回避することも防ぐ。

これらはBSCのステーキングおよびガバナンス関連のシステムコントラクトに関する変更となる。BNBチェーンによると、プロトコルおよびシステムコントラクトレベルで実施されるため、既存のアプリケーションを移行する必要はないという。

ブロック処理の並列化で処理能力を向上

BEP-675では、ビルダーが実行済みのブロックを提出できる仕組みを導入し、ブロック容量の拡大を目指す。バリデーターは提案されたブロックをコンセンサスルールに基づいて確認し、署名・ブロードキャストした後、時間的制約の厳しい処理経路とは別に完全な検証を行える。

クロスリージョンのバリデーター構成を想定した内部テスト環境「QANet」では、クリティカルパスの処理時間が125ミリ秒から15ミリ秒に短縮された。平均ブロックガス使用量は4,635万から8,415万に増加し、スループットは毎秒1,237件から2,324件に向上したとしている。

一方、これらの数値は管理されたテスト環境で測定されたものであり、メインネット上で同じ性能向上が得られることを保証するものではない。テスト中もブロック間隔は450ミリ秒に維持され、ファイナリティの遅延にも変化はなかった。

新しい実行経路を利用するビルダーには、完全に実行されたブロックを生成するためフルノードの運用が必要となる。従来型のブロック入札方式も引き続き利用できるが、ビルダーがブロックを構築するために利用できる時間は短くなる。

2026年前半のアップグレードではブロック時間の短縮が主なテーマとなっていたが、パスツールでは450ミリ秒のブロック間隔を維持しながら、セキュリティと処理性能の向上を目指す。

 

引用元記事:https://finance.biggo.jp/news/343ab490-5d72-4032-9eb9-74a6c00cae30