韓国で量子セキュリティ競争が本格化 SKテレコムとKTが異なる戦略を披露

韓国最大の量子技術展示会「クォンタムコリア2026」がソウルで開幕し、通信大手のSKテレコムとKTが、それぞれ異なる戦略で量子セキュリティ技術を披露した。AIや6G時代を見据えた技術開発が進む中、量子コンピューティングによる既存暗号の脅威を背景に、量子暗号通信や量子セキュリティの商用化競争が本格化している。
韓国科学技術情報通信部が主催する同展示会は7月4日まで開催され、国内外57の企業・研究機関が参加。量子コンピューティング、量子暗号通信、量子センシングなどの最新技術を公開した。
SKテレコムは「AI・6G時代に向けた次世代量子暗号セキュリティ」をテーマに、光集積回路(PIC)を活用した小型・低コストの量子鍵配送(QKD)や量子乱数生成器(QRNG)を展示。毎秒10Gbps級のQRNGを10mm角の超小型チップに実装したほか、送受信機能を一体化したQKDチップの開発も進めている。さらに、ドローンやロボット向けの量子セキュリティチップ「Q-HSM」や、生成AI利用時の情報保護を支援する「Q-SSE」なども紹介し、量子技術の普及拡大を目指す姿勢を示した。
一方、KTは「量子の未来が始まる場所」をテーマに、有線・無線双方の量子暗号通信技術を紹介した。無線QKDでは2022年の1km実証、2025年の約4.8km実証に続き、現在は10km超への通信距離拡大に取り組む。また、有線QKDの性能向上に加え、保有する量子技術関連特許を国内企業へ技術移転するなど、量子セキュリティ基盤の国産化も進めている。展示では、国防分野や金融機関、医療機関で進む量子セキュリティの導入事例も紹介された。
量子コンピューティング分野では、LG CNSが道路陥没検知への活用事例を公開。量子コンピューティングを用いて地下構造の3次元解析を高速化し、都市インフラ管理への応用を目指している。また、Megazone CloudはAWSの量子コンピューティングサービス「Amazon Braket」を活用し、企業や公共機関が複数の量子コンピューターを利用できる環境を紹介した。
今回の展示会では、量子技術が研究開発段階から実用・商用フェーズへ移行しつつあることが鮮明となった。SKテレコムが小型化・低コスト化による普及を重視する一方、KTは実証実績や公共分野での導入を強みに市場拡大を狙うなど、韓国における量子セキュリティの主導権争いは今後さらに激化するとみられる。
引用元記事:https://finance.biggo.jp/news/603b980e-1ab2-4313-8dda-a6a7f3f6f430



