Saviyntとアシスト、合弁会社設立 日本でIDセキュリティ事業を本格展開

アイデンティティ(ID)セキュリティを手がける米国のSaviyntとシステムインテグレーターのアシストは、共同出資会社「Saviynt Japan」を設立し、日本市場での事業展開を本格化する。AIエージェントや非人間ID(NHI)の増加を背景に、企業全体のIDとアクセス権限を一元管理するプラットフォームを提供し、大企業を中心に需要を取り込む考えだ。

新会社は6月4日に設立を発表した。資本金は500万円で、出資比率はSaviyntが65%、アシストが35%。代表取締役にはSaviyntのCOO(最高執行責任者)のShankar Ganapathy氏が兼任で就任する。

Saviyntは、クラウドやオンプレミス環境、外部委託先まで含めた企業全体のIDやアクセス権限を可視化・管理するアイデンティティセキュリティプラットフォームを展開している。新会社は日本市場における製品販売や導入支援、サポートの中核拠点となり、初期段階では数万ID規模を管理する大企業を主なターゲットとする。

記者発表会でGanapathy氏は、同社の年間経常収益(ARR)が3億ドル規模で、30%を超える成長率を維持していると説明。世界で700社以上に導入され、管理対象ID数は1億を超え、契約継続率も98%に達していることを強調した。

アシストの大塚辰男社長は、サイバーセキュリティがIT部門だけでなく経営課題へと変化していると指摘。「複雑化するセキュリティ対策の中核はID管理にある」と述べ、ID管理を軸としたSaviyntの製品戦略が同社の方向性と合致したことが合弁会社設立の決め手になったと説明した。

Saviynt Japanの小西雅宏取締役は、SaaSやクラウドサービスの普及によって企業内のID管理が分散・複雑化し、「誰がどのシステムに、どの権限でアクセスできるのか」を把握しづらくなる「IDの断片化」が進んでいると指摘。組織変更やM&Aに加え、AIエージェントなど非人間IDの増加も管理負荷を高めており、「ID管理は経営課題になっている」との認識を示した。

また、Saviyntのアジア太平洋地域担当上級副社長(SVP)のAlex Lei氏は、日本市場での成長戦略として、大企業向けの個別提案を重視する「ハイタッチ戦略」、アシストやマクニカ、IBMなどパートナー企業を活用した「チャネル戦略」、日本語対応を含む「ローカルサポート」の3本柱を掲げた。「単なる製品販売ではなく、日本市場へ長期的に投資していく」と述べている。

製品面では、人間の利用者だけでなく、サービスアカウントやAIエージェントなどの非人間IDも単一プラットフォームで管理する点を特徴とする。IDの可視化、アクセス権限の管理、実行時のアクセス制御を一体で提供し、AI時代に求められるアイデンティティセキュリティ基盤の構築を支援する考えだ。

引用元記事:https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/2114671.html