サイバー脅威インテリジェンス管理で提携、AI活用で統合型セキュリティ運用を強化

世界最大級の脅威インテリジェンス企業であるRecorded Futureは、インドITサービス大手のWiproと戦略的提携を締結し、AIを活用した脅威インテリジェンス管理サービスを共同展開すると発表した。高度化するサイバー攻撃への対応力を高めるとともに、企業のセキュリティ運用やデジタルリスク管理の強化を目指す。
今回の提携では、Wiproのマネージドセキュリティサービス(MSSP)に、Recorded Futureのリアルタイム脅威インテリジェンスを活用した「脅威インテリジェンス・ブランド監視管理サービス」を新たに追加する。脅威情報をセキュリティ運用やプロアクティブな脅威ハンティング、デジタルリスク保護のワークフローに直接組み込み、迅速な意思決定や対応を支援する。
Wiproのクラウド・インフラストラクチャ・セキュリティサービス担当グローバル事業責任者であるサティシュ・ヤダヴァリ氏は、企業が求めているのは単なる技術導入ではなく、実際の成果につながるサイバーセキュリティ対策だと説明。AIを核としたコンサルティング主導のアプローチにより、防御力やレジリエンス、デジタルトラストの向上を図る考えを示した。
一方、Recorded Futureのコリン・マホニーCEOは、両社がリアルタイムで実用的な脅威インテリジェンスを企業の運用プロセスへ深く統合するという共通ビジョンを持っていると強調。今回の協業によって、脅威データと具体的な対策の間にあるギャップを埋めるとしている。
Recorded Futureは、攻撃者やインフラ、標的情報を関連付ける「Intelligence Graph」を基盤にサービスを提供しており、2000億件超の脅威関連データを保有する。2024年にMastercardの傘下に入った後も事業を拡大しており、現在は80カ国以上で約1900の企業・政府機関に利用されている。
Wiproにとっても、この提携はAI基盤の統合プラットフォーム群「Wipro Intelligence」の一部であるCyberShieldソリューションの機能強化につながる。サイバーリスクやテクノロジー、地政学、ビジネス領域にまたがる多様なインテリジェンス情報を統合し、より包括的なセキュリティ運用を実現する考えだ。
また、Wiproは共同ソリューションを顧客向けに提供するだけでなく、自社のデジタル資産保護にもRecorded Futureのプラットフォームを導入する。自ら利用することで、技術への信頼性を示すとともに、顧客に対する実証事例としても活用する方針だ。
近年、企業のサイバーセキュリティ対策は、個別ツールの導入から、AIを活用した統合型インテリジェンス基盤を中核に据える方向へと変化している。今回の提携は、脅威インテリジェンスを単なる情報提供サービスではなく、企業全体のセキュリティアーキテクチャに組み込むインフラとして活用する流れを象徴する取り組みといえそうだ。
引用元記事:https://finance.biggo.jp/news/NsyFjp4BX0tZvRTvbSM7



