日本量子コンピューティング協会、耐量子暗号の総合移行支援を開始 ――日本初「耐量子セキュリティ認証マーク」を創設

一般社団法人日本量子コンピューティング協会は4日、日本初となる「耐量子セキュリティ認証マーク」制度を含む、耐量子計算機暗号(PQC)総合移行支援サービスの提供開始を発表した。

同協会はblueqat、AI Forward、ZebraQuantumの3社と提携し、将来的な量子コンピュータの実用化によって顕在化する暗号解読リスクに対応する包括的な支援を、企業向けに展開する。

発表によると、現在広く利用されているRSAや楕円曲線暗号(ECC)などの従来暗号は、量子コンピュータの実用化により短時間で解読される可能性が指摘されている。特に深刻な脅威とされるのが、「Harvest Now, Decrypt Later(HNDL:今盗み、後で解読する)」と呼ばれる攻撃手法だ。攻撃者は、現時点では解読不可能な暗号化データを大量に収集・保存し、量子コンピュータの実用化後に過去の通信や機密情報を遡って解読する戦略を取っている。

同協会は「一度流出したデータは、将来暗号方式を強化しても保護することはできない」と指摘し、早期対応の重要性を強調する。内閣府および内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が推進する「量子セキュリティ戦略」でも、HNDL攻撃への懸念と耐量子暗号への早期移行の必要性が明記されている。

今回提供するサービスは、暗号鍵や証明書などの暗号関連資産の棚卸・評価、階層別教育、ガイドライン策定、ツール提供、実装支援の5領域で構成される。

実装支援では、米国立標準技術研究所(NIST)が標準化を進める耐量子暗号アルゴリズムを、従来暗号と組み合わせたハイブリッド方式で導入する。要件を満たした企業に対しては、日本初となる「耐量子セキュリティ認証マーク」を付与する。

同協会は、特定ベンダーに依存しない中立的な立場から評価と提言を行うとともに、評価基準の公開や第三者有識者によるレビューを通じて、認証制度の透明性と信頼性を担保するとしている。

引用元記事:https://coinpost.jp/?p=686497