【2026年最新】日本のセキュリティ人材はなぜ11万人も足りないのか?現状と打開策

  • 最終更新:

2026年現在、日本のデジタル社会が直面している最大の壁の一つが「サイバーセキュリティ人材の圧倒的な不足」です。最新の調査では、国内で約11万人もの人材が不足しているとされ、供給が需要に追いつかない深刻な状況が続いています。

なぜこれほどまでに人材が足りないのか、そして国や企業はどう動くべきなのか。本記事では、セキュリティ人材確保の現場から見える課題と、未来に向けた具体的な対策を解剖します。

1. セキュリティ人材不足のリアル:日本は世界に遅れている?

世界規模で約400万人が不足していると言われる中、日本の需給ギャップは特に顕著です。ISC2の報告によると、日本の人材充足率は極めて低く、供給人材の約2倍近い需要が存在します。

大企業と中小企業で広がる格差

大企業が潤沢な予算で高度な専門家を囲い込む一方、中小企業では「予算不足」と「認知不足」により、対策が後手に回っています。しかし、サプライチェーン攻撃が激化する今、中小企業の脆弱性が社会全体の最大リスクとなりつつあります。

2. なぜ「人材」が育たないのか?根深い3つの原因

高度化するスキルへの要求とDXの加速

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、あらゆる業務がオンライン化されました。これに加え、AIを活用した高度な攻撃手法が登場したことで、エンジニアに求められるスキルのハードルが急上昇しています。単なる知識だけでなく、AIやIoTを使いこなす「多角的なスキル」が求められているのです。

教育カリキュラムのミスマッチ

日本の教育現場では、実践的なセキュリティトレーニングの機会が依然として限定的です。学生や若手にとって「セキュリティ=地味で難しい」というイメージが先行し、魅力的なキャリアパスが見えにくい点も、新規流入を阻む要因となっています。

雇用条件と待遇のミスマッチ

高度なリスクを背負う職務に対し、適切な報酬やキャリア形成のモデルが提示できていない企業も少なくありません。「責任は重大だが、評価が不透明」という現状が、優秀な人材の離職や他職種への流出を招いています。

3. 2030年に向けた日本の国家戦略と対策

この危機的状況を打破するため、経済産業省は2030年までに国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」を5万人に倍増させる目標を掲げています。※2025年4月時点では約2.4万人。

資格更新制度の改善と活用促進

資格維持にかかる費用負担の軽減や、実務経験による講習免除など、専門家がより活動しやすい環境整備が進んでいます。また、登録セキスペと中小企業をマッチングさせる「アクティブリスト」の整備も注目されています。

産学官連携による「セキュリティ・キャンプ」の拡充

若年層向けの高度な合宿型トレーニング「セキュリティ・キャンプ」をさらに強化し、AI等の特定領域に強い専門家を早期に育成する取り組みが加速しています。小中学校からのIT教育も、長期的な基盤作りとして不可欠です。

4. 人材確保のための提言:これからの企業がすべきこと

  • スキルの標準化:自社に必要なセキュリティスキルを明確にし、ジョブ型雇用に近い形での待遇改善を図る。
  • リスキリングの支援:社内のITエンジニアにセキュリティ教育を施し、内部から専門家を登用する仕組みを作る。
  • テレワーク時代の新モデル:地理的制約をなくし、全国・全世界の優秀なタレントを活用できる柔軟な働き方を導入する。

5. まとめ:持続可能なセキュリティ体制の構築へ

11万人の不足は、一朝一夕に解消できる問題ではありません。しかし、2030年の5万人目標に向けた制度改革や、AIなどの新技術を活用した防御の自動化が進むことで、道は開けつつあります。

企業や個人が「セキュリティはコストではなく投資である」という共通認識を持ち、社会全体で教育と待遇の改善を進めることが、日本のデジタル競争力を守る唯一の手段です。

記事の新規作成・修正依頼はこちらよりお願いします。