エンジニアが知っておくべきHTTPセキュリティヘッダー:XSSやクリックジャッキングを防ぐ極意

  • 最終更新:

HTTPセキュリティヘッダーの基礎知識

HTTPセキュリティヘッダーとは何か?

HTTPセキュリティヘッダーとは、Webサーバーからブラウザ(クライアント)へ送られるHTTPレスポンスの中に含まれる、セキュリティ指示書のようなものです。これを受け取ったブラウザは、「外部スクリプトを制限する」「HTTPS通信以外は拒否する」といったルールを強制し、Webサイトの防御力を高めます。

なぜHTTPセキュリティヘッダーが重要なのか?

Webサイトの脆弱性は、プログラムコードの修正だけで100%防ぐのは困難です。セキュリティヘッダーを設定することで、たとえサイトに脆弱性が残っていても、ブラウザ側で攻撃(XSSやクリックジャッキングなど)を無効化できる「二段構え」の対策が可能になります。


主要なHTTPセキュリティヘッダーとその役割

Webサイトを狙われにくくするために、優先的に導入すべき4つのヘッダーを解説します。

1. Content-Security-Policy (CSP):XSS対策の鍵

クロスサイトスクリプティング(XSS)を防ぐための強力なヘッダーです。サイト内で実行を許可するスクリプトの「出所」をホワイトリスト化します。

  • 設定例: default-src 'self'; script-src 'self' https://trusted.cdn.com;

    • 意味: 自分のサイト内と、信頼できる特定のCDNからのみスクリプトの読み込みを許可します。

2. X-Frame-Options:クリックジャッキング防止策

透明な枠(iFrame)でサイトを重ねて、意図しないボタンをクリックさせる攻撃を防ぎます。

  • 設定例: X-Frame-Options: SAMEORIGIN

    • 意味: 自分のサイト以外で、このページをフレーム内に表示することを禁止します。

3. Strict-Transport-Security (HSTS):HTTPS強制

HTTPでの接続を試みても、ブラウザ側で自動的にHTTPSへ切り替えます。通信の盗聴や改ざんを防ぐ必須の設定です。

[Image illustrating an HSTS flow where an HTTP request is intercepted by the browser and converted to HTTPS automatically]

  • 設定例: Strict-Transport-Security: max-age=31536000; includeSubDomains; preload

4. X-Content-Type-Options:MIMEタイプ混在攻撃の防止

ブラウザがファイルの種類を勝手に推測(スニッフィング)して、画像ファイルをプログラムとして実行してしまうのを防ぎます。

  • 設定例: X-Content-Type-Options: nosniff


HTTPセキュリティヘッダーの導入・設定方法

サーバーの種類に合わせて、設定ファイルに追記するだけで導入可能です。

サーバー別の実装例

サーバー / CMS設定場所記述コードの例
Apache.htaccessHeader always set X-Frame-Options "SAMEORIGIN"
Nginxnginx.confadd_header X-Frame-Options "SAMEORIGIN";
WordPressプラグイン「HTTP Headers」等のプラグインでGUIから設定可能

導入時の注意点とトラブルシューティング

セキュリティヘッダーは強力なため、設定を間違えるとサイトが正常に表示されなくなる(画像が出ない、ログインできない等)ことがあります。

  1. 段階的に導入する: 一度にすべてのヘッダーを入れず、一つずつ動作を確認します。

  2. CSPの「Report-Only」モードを活用: 攻撃をブロックせず、違反通知だけを送る設定から始めると、本番環境への影響を最小限に抑えられます。

  3. スキャンツールで確認: 導入後は Security Headers などの外部ツールで、A判定やB判定などのスコアを確認しましょう。


まとめ:HTTPS化との組み合わせによるセキュリティ強化

HTTPセキュリティヘッダーは、現代のWebサイト運営において「常識」となりつつあります。2026年の今、単にHTTPS化するだけでなく、HSTSやCSPを適切に組み合わせて**「ブラウザに守らせる」**仕組みを作ることが、サイバー攻撃からサイトを守る最短ルートです。

記事の新規作成・修正依頼はこちらよりお願いします。