日本のサイバーセキュリティ企業、2026年の現状と市場動向

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2026年現在、サイバー攻撃はAIの進化により高度化し、日本企業にとってサイバーセキュリティ対策は経営の最優先事項となっています。市場規模は2025年の103.4億米ドルから、2026年には約114.3億米ドル(約1.7兆円)へと急拡大しています。

本記事では、売上、技術力、評価を軸に、日本のサイバーセキュリティ業界を牽引する主要企業をランキング形式で紹介します。


1. 日本のサイバーセキュリティ業界:2026年の現状と市場動向

2026年の日本市場は、政府の「サイバーセキュリティ対策評価制度」の本格導入や、重要インフラへのゼロトラスト義務化により、かつてない活況を呈しています。

サイバーセキュリティの重要性が増す背景

AIを悪用したフィッシング攻撃やディープフェイクによる詐欺が激増し、従来の「境界型防御」では防げない脅威が常態化しました。これにより、「ゼロトラスト(何も信頼しない)」「サイバー・レジリエンス(回復力)」が企業の共通戦略となっています。

政府の政策や規制の後押し

デジタル庁を中心とした政府クラウドの整備や、経済産業省による「サプライチェーン・サイバーセキュリティ指針」の厳格化により、大手企業だけでなく、その取引先である中小企業にも高度なセキュリティ対策が求められるようになっています。


2. ランキングで見る日本のサイバーセキュリティ企業トップ10

売上規模、技術的先進性、およびユーザー評価に基づいた2026年最新の総合ランキングです。

総合評価トップ10(売上・技術・信頼性)

順位企業名主な強み・特徴
1位トレンドマイクロ国内シェアトップ。AI搭載の「Vision One」でエンドポイントからクラウドまで一元監視。
2位野村総合研究所 (NRI)コンサルティングから運用まで一貫。金融・公共向けの鉄壁のSOC運営に定評。
3位NTTデータグローバルな脅威インテリジェンスと、国内最大級のインフラ構築・防衛実績。
4位日立製作所OT(制御技術)セキュリティとITの融合。製造業や重要インフラ防衛に強み。
5位NEC顔認証技術を活用したID管理と、独自の「サイバーセキュリティファクトリー」による分析。
6位富士通ゼロトラスト基盤の構築と、AIを活用した自律型セキュリティ運用(SOC)サービス。
7位伊藤忠テクノソリューションズ (CTC)海外の最先端セキュリティ製品の導入実績と、高度なマルチベンダー対応力。
8位ラック (LAC)日本初のセキュリティ監視センター「JSOC」を運営。インシデント対応の国内権威。
9位セコム (SECOM)物理セキュリティとITを融合。中小企業向けの「セコム・サイバー保険」付帯サービスも展開。
10位インターネットイニシアティブ (IIJ)ネットワークレベルでの防御に強み。SaaS型セキュリティサービスの草分け。

3. 特定分野で強みを持つ注目企業

総合ランキング以外にも、特定の技術領域で世界的に評価されている日本企業が数多く存在します。

特定分野のスペシャリスト企業

  • FFRIセキュリティ: 国産の標的型攻撃対策エンジン。AIによる振る舞い検知で未知のウイルスをブロック。

  • グローバルセキュリティエキスパート (GSX): セキュリティ教育とコンサルティングに特化。中堅・中小企業の防衛力底上げを支援。

  • デジタルアーツ: 国産のWeb/メールフィルタリング。独自の「ホワイトリスト方式」で情報漏洩を徹底防止。

  • サイバーセキュリティクラウド: AIを活用したクラウド型WAF「攻撃遮断くん」を展開。Webサイト保護の自動化で急成長。

成長中のクラウド・SaaS注目企業

  • HENNGE: クラウドサービスのID統合・アクセス制限でトップクラス。

  • サイバートラスト: IoT機器の認証と電子証明書による信頼基盤(トラストサービス)を提供。

  • トビラシステムズ: 迷惑電話・詐欺メールのフィルタリング技術。モバイル・固定電話の安全を支える。


4. サイバーセキュリティ企業を選ぶ基準と注目ポイント

パートナー企業や投資先を選ぶ際は、以下の4つの視点が不可欠です。

  1. 実績とレピュテーション: 大規模な情報漏洩事故の際に「調査・復旧」を任されている企業か。

  2. AI・自動化技術: AIエージェントを用いた最新の攻撃に、AIによる自律防御で対応できているか。

  3. サポートの厚み: 24時間365日の日本語対応SOC(監視センター)を国内に自社保有しているか。

  4. サプライチェーン対応: 自社だけでなく、取引先全体のセキュリティスコアを可視化できるサービスを持っているか。


5. 今後のトレンド:2026年以降の展望

サイバーセキュリティ市場は、今後さらなる「AIとの融合」と「量子耐性」へと向かいます。

  • AI vs AIのスピード戦: 攻撃側が生成AIで高速に脆弱性を突くため、防御側もAIによるリアルタイム自動復旧が標準となります。

  • ポスト量子暗号(PQC): 量子コンピュータの実用化を見据え、既存の暗号技術の置き換え需要が本格化します。

  • データの主権と国産技術の再評価: 地政学リスクの高まりから、重要な国家データや企業秘密を守るために国産ベンダーの信頼性が改めて重視されています。


まとめ:信頼できるパートナー選びが未来を分ける

日本のサイバーセキュリティ業界は、トレンドマイクロやNRIのような総合力を持つ大手から、FFRIやサイバーセキュリティクラウドのような尖った技術を持つベンダーまで、層の厚いエコシステムを形成しています。2026年の今、自社の課題が「ゼロトラストへの移行」なのか「インシデントへの即応体制」なのかを見極め、最適なパートナーを選ぶことが事業継続の鍵となります。

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